2013-01-01から1年間の記事一覧

流星

日曜の明け方、関東の北の方、ビルがひとっつも建っていない平原で、 双子座流星群を捜した。 月が沈みかける午前三時半くらい。 靴下を二枚重ね、スパッツを二枚履いて防寒ズボンを更に履き重ね、 白い息を吐きながら、外に出た。 木星が明るく輝く脇に、ふ…

銀杏

東京はようやく銀杏が黄金色になった。 秋本番。 けど来週に初雪が降るかも、なんて予報をテレビで聞いた。 ここ数年、東京は、春と秋が数日しかない。 寂しい。 だけど、黄金色の道を、ゆうっくり、さくさく音を立てながら歩いて、 嬉しかった。 朝になると…

旧友

ひさしぶりに女友達と長電話した。 あたし自身が女だから、女の良いとこも悪いとこもよく知ってるから、 いや、うまく言えないけど、だからか、女友達はとても少ない。 こわいから、かもしれない。 いや、あたしの性格が天邪鬼だから、自分のせいかもしれな…

卵月

東京の夜空が、満月から数日、今宵もとてもきれい。 天辺に卵月が浮かんでて、幸せの粒が、月から降り注いでるよう。 あたし、生まれ変わったら、大樹か、大鯨か、象になりたいと、 小さい頃から思ってた。 なぜそう思ったのか、理由は覚えてない。 今は、大…

歩幅

Daryl Hall & John Oates / I Can't Go For That 君の望むすべて、なんでも僕は叶えるよ。 だけど、それはできない。 体だけの関係なんて、僕には耐えられない。 君の望むすべてを僕は叶えてあげる。 意訳っぽいけど、あたしにはそんな意味の歌。 ホール&オ…

架橋

どんな人になりたい? と聞かれると、大抵の人は、職業を挙げる。 看護婦さん、とか、専業主婦、とか、デザイナー、とか、色々。 けど、あたしは、いつもこう答える。 強く、優しく、美しい人になりたい。 職業は、あたしは、どうでもいいと思ってる。 二十…

蟋蟀

昨晩、とても早く帰れたので、 洗濯でもしようかな、と思って、ベランダの磨りガラスを開けた。 ベランダの中央には時期を過ぎて葉を枯らせはじめた茗荷(ミョウガ)の大きな鉢がある。 その大きな葉のうえに見たことのない虫が居た。 秋の虫かな、と思って、…

酔狂

いろいろあって、使われるのが嫌で会社を作った。 けど、なんていうか、いや愚痴だけど、まだ使われてる感、満載。 どこで本気の勇気出すんだ、自分!と思う。 やるせないことも、どうしようもないことも、大人なら我慢しなきゃいけないのか? と大人になっ…

選択

Eric Serra / The Big Blue from "Le Grand Bleu" グラン・ブルーを観た時、あたしの物語のような気がした。 french版とenglish版と二通りの結末があることも知ってる。 主人公が戻らない結末と、戻る結末。 結末は旨く言えないけど、どうでもいいのだ。 今…

反芻

世界の遊戯に寄与する君たちの使命が 終了したかどうかを判断する簡単な基準がある。 もし君達が生きていれば 瀕死の重傷でかすかに息がある場合でも生きていれば まだ使命は終わっていない。 * There is an easy standard which judges whether your missi…

願望

Peter Gabriel / Secret World Live(102分35秒) 一度観て、素晴らしくてすぐにDVDを買ったライヴ。 ものすごい長いけれど、お時間があって、興味があれば、ぜひ。 素晴らしいライヴです。 * 柏手を打って神様にお願いをするとき。 深く礼をして手を仏さま…

帰郷

お盆に帰郷した。 13日だったから、お墓参りをして、家族みんなでお迎えができた。 提灯に火を入れて、位牌を仏壇から外に出した藁の祭壇に手を合わせて、 じいちゃんや父、先祖のみんなに、ひさしぶりに会った。 真実は、自分に嘘のない言葉でのみ、語られ…

捜索

The Animals / The House of the Rising Sun 朝日のあたる家。 小学生のとき、この曲をオルガンで弾いた。 亡き師は「“生きることを目標に日々を過ごしてた人達”を歌ってるのよ」と教えてくれた。 今は、その意味が、あの時よりもちょっとはわかるようになっ…

免許

Louis Armstrong / What A Wonderful World 解説なんかいらない、 ただ、素晴らしい曲。 * 7/17。 時間オーバーなしでマニュアル車の免許取得しました! 府中試験場で電光掲示板に番号が現れた時は、 もう、なんとも言えぬ安堵感で、倒れそうだった。 思え…

虹空

七夕の夕暮れ。 スコールのような雷雨を窓から眺めてた。 北の空はとても明るくて、ほの明るいなかで、大粒の雨と時折の轟く雷。 20分ほどしたら鳥たちが羽ばたき、さえずりはじめて。 雨があがって。 東の空いっぱいに大きな虹が現れた。 七夕の虹。 虹が空…

閃光

Beethoven played by Glenn Gould / Piano sonata No8 Pathetique 2st mvt * きっと未来には小さな素晴らしい想い出になってることが オンタイムだと、わかっていても、辛いなぁーと思ってしまう。 どーしたらいいのさ。 と自問自答して、途方に暮れて、時…

推敲

そろそろ眠ろうかな、と、北の小窓を閉じようと空をみたら、ほの明るかった。 しとしと雨が降ってる、厚い雲の夜更け。 いつもの夜より、ほの明るい。 * 想いを生きる、という言葉についてちょっと考えてた。 いや、考えてた、というより、想い巡らせてた。…

月灯

東窓の借景になってるわりと大きな公園を抜けて、早い帰宅。 いつもよりずっとゆっくり。 公園を散歩してるように歩いてきた。 土曜に満ちる月が まばゆいばかりに輝いてて 切れ切れの觔斗雲軍団のような雲さえ、光に溶けるようだった。 借景の公園は、あた…

記憶

ひさしぶりの、のんびりした夜更け。 ずっと心から離れない、妄想か、夢か、未来図か、わからない、ある情景をひとつ。 * うりざね顔の、見目麗しい女性が、森の小道に一人立ってて。 走り去る車に向かって、ゆっくりと手を振ってる。 車には、愛しい男、で…

視線

Ray Charles / That's Enough 敬愛するレイのあまり知られてないブルース。 なごむ。 夜更けの、綿菓子みたいな雲に月が漂うさまが、よく似合う。 * あたしは免許証というものをひとつも持ってなくて。 三年ほどまえから、無性に車の免許が欲しかった。 友…

道程

Billy Joel / Just the Way You Are * 選択。 それが生きる方法。 ものすごいちっちゃなことから、とてつもなく大きなものまで。 実にいろんな選択を迫られる。 歩いてきた道中、犯した数々の失敗。 溜め息や落胆、悲しみが伴う出来事をも、自分が選択した…

ヒコーキ雲

午前四時過ぎ。 空を見上げたら。 綿菓子みたいな雲から一筋のヒコーキ雲。 描いてる飛行機も見るまに遠のいたけど見れて。 慌てて撮って。 ぼんやり眺めてたら、 しゅわん、とシャボンのように空に溶けた。 あんな素敵なヒコーキ雲。 ひさしぶり。 いい朝。

洞窟

Janis Joplin / Mercedes Benz なにか写真をUPしようかな、と、 最近もっぱら写真機になってるXperiaを覗いたら。 去年の春から撮りためた愛しい写真達が、 今宵は、あたしの吐息のように想えて、そっとしておくことにした。 眺めてたら、なぜか、ジャニスの…

桜香

怒濤の仕事漬けが、ふっと途切れた翌日、旅に出て。 念願の桜見を。 起きるまで眠って。 夜の帳をゆっくりと体じゅうに浴びて。 朝がはじまりなのか、昼がおしまいの時間なのか、夜なのか。 そんなのどうでもよいくらいに過ごして。 桜は、我関せず。 といっ…

望桜

連日、明け方前に帰宅。 今宵はちょっとメドが立って、少しだけ余裕が湧いた。 けど、くたくたなので、 自転車を事務所に置いて、車を拾って。 公園の手前、コンビニのあたりで降りた。 無性にチーズが食べたくて、 コンビニで切れてるタイプのカマンベール…

立春

仕事先の道端で出会った満開の木蓮。 東京は、もう桜が咲きはじめてて、今週末が満開、などと予報されてる。 早過ぎ。 いろんな街を紹介する仕事が今、主なので、桜の季節は、 ただでさえガサツく年度末に重なって、ざわざわ忙しさを運んでくる。 そのメッセ…

彼岸

もうすぐ春のお彼岸。 彼岸、という言葉は、小学校の修学旅行で、平等院に行った時、初めて聞いた。 此岸と彼岸。 こっち側と、あっち側。 生の世界と、死後の世界。 その世界を、平等院は表現してる、のだと、社会の先生が説明してくれた。 なんか、無性に…

月光

Beethoven / Moonlight Sonata mvt.1 / Glenn Gould play * 2013.3.11. あの日から二年。 神となった御霊(みたま)が、安らかに眠られることを。 生き残った人々が、天からの希望という光で、再び、愛を取り戻せますように。 真っ直ぐに歩む人の道が阻まれ…

迎春

Frank Sinatra / Fly Me To The Moon 2000年に公開された映画『Space Cowboys』(スペース・カウボーイ)』で 初めて聴いた名曲。 クリント・イーストウッドが監督で主演の一人でもあり、 トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランドなどが、並んで主…

鎮魂

Arvo P�rt - Spiegel Im Spiegel * 生きている。 それだけでどれほど幸せなのか。 涙やよだれや汗が体から自然にしぶきを上げるほど明らかにわかる場所に行ってた。 今回立ち寄った間に、三度、震度4の地震に遭った。 ラジオをつけて。 その瞬間、誰もがそ…