銀杏

東京はようやく銀杏が黄金色になった。
秋本番。
けど来週に初雪が降るかも、なんて予報をテレビで聞いた。
ここ数年、東京は、春と秋が数日しかない。
寂しい。


だけど、黄金色の道を、ゆうっくり、さくさく音を立てながら歩いて、
嬉しかった。
朝になると、きれいに履かれてしまうから、
黄金色の道は、夜遅くから明け方まで。
その時間に大抵帰宅するあたしは、黄金色の道を歩ける人の、ひとり。


しゅわ、しゅわーと、銀杏の葉っぱを、足でかき分けながら歩いた。


きれいだなーと、高い銀杏の木を仰いで、振り返ったりして、満喫して、帰宅。


あ、撮影したらよかったな、と、思いきり着替えてから思った。
けど、瞳ってゆうシャッターで、がっつり擦り込めたからいいか、と。
ほんとに、うわぁー、って思うと、
すぐ出せるカメラ持ってるのに、忘れちゃうんだなぁって、改めて思った。


とにかく秋到来。
東京の空よ、しばらく黄金色の街を、歩かせてね。