2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

峠:その後

ちょっとまえに書いたお話の続き。 * 男は、見知らぬ男と、旅を続けてました。 なぜか、歩いている時は、いつも無言でした。 それぞれ、ひとりで旅していた時と同じように、 幾つもの山を越え、谷をまたぎ、峰にそって歩いたり、野原に出くわしたりしました…

梅雨

月曜から梅雨入りしてたことを今日知って、ちょっと恥ずかしかった。 家族のこと、自分のこと、仕事のこと、やなんやかんや考えてるうちに、 季節は、ちゃんと次の段階に進んでるんだな、と。 はっ、と我に返ったような気分になって。 改めて、自然の摂理に…

家族

父の十三回忌を終えて、帰郷から、帰京。 年を経て、家族の暮らす形がさまざま変わり、事情もさまざま加わってくると、 今までは問題とも思わなかったことが、大きな壁になって、立ちはだかったりする。 母やあたしたち兄弟それぞれが、みなそれぞれの立場で…

朝の月

仕事を一区切りつけて、事務所を出て。 空を仰いだら、視線の真っ直ぐまえに、まぶたを閉じたような月が浮かんでた。 ついさっきの空のこと。 小さいナイフで、空を、しゅっ、と切って。 朝靄の向こうにあふれてるまばゆい太陽の陽射しが漏れてるみたいに、 …

蜃気楼

路線バスで仕事場に向かってた時、運転手さんのすぐ後ろの高い席に座ってた。 昼間、アスファルトから蜃気楼はのぼらなかったけど、とても暑かった。 ぼぉーっと幹線道路の隣りを走る車を見てたら、ふいにもうろうとした。 ゆらゆらバスが走ってるのはわかっ…