2010-01-01から1年間の記事一覧

追憶

あまりにも有名な映画のタイトルでもある「追憶」。 時の流れの無情さと美しさ、感情が水のようであることを、深く理解させてくれた映画。 追憶とは、過去を想い偲ぶこと。 最近、想うにふれて聴きたくなる歌がある。 小田和正作詞作曲の名曲で、 小田和正&…

瞳月

漆黒の夜空に、猫の瞳のような月があった。 浮かんでる、というのとは違って。 そこに存在してる。 そんな月だ。 じいっと、こっちを見抜いてる猫の瞳。 そこには悪意も善意もなくて。 ただ、見てる。 そして、見抜かれてる。 ちっぽけなことなど、どうでも…

恩義

仕事がずいぶん片付いてきて、一二週間まえとくらべると、今は天国のよう。 ラストの仕上げが大事なので、もうしばらく確認作業にはやっぱり手を抜けないけれど、 急き立てられるようなキツい義務感は、和らいでる。 十年以上、会社を経営してて、といっても…

うちのベランダには、スカパーのアンテナが付けられてる。 手すりから、ぐにょっと外側に、大きなお皿のようなアンテナがついてるのである。 昨日の朝、ちょっと早起きできたので、洗濯物を気持ちよく干して、 小さい方の窓から布団をぱんぱん干してた時のこ…

航海

想い出が、このごろ、よく蘇る。 あの時に戻りたいとか、じゃなく、ただ、蘇ってくる。 反芻して、咀嚼するように、ではなく、素晴らしい映画を観た時のように、蘇る。 変化している証拠、な気がする。 勝手な憶測だけれど。 人は、選択を繰り返して生きてる…

雨女

あたしは雨女である。 仕事では、もう、かなりの確率で、あたしが取材に出ると雨が降る。 やる気を出して、取材に出ると、である。 いつぞやは、雨が欲しかったので呼んだんだ、などと、真顔で言われたりもした。 悲しいけれど、その通りだから、しょうがな…

秋雨

昨日は寒露。 草の露が冷たく感じられる頃。 そして、寒露から、旧暦では長月。 東京は、明け方から冷たい雨。 土砂降りじゃなく、秋雨。 雲の上から、たくさんのスポイトでポトポト地に雨を垂らしてるような、感じ。 そして、ぐんと冷えてる、寒い。 ベラン…

運命の輪

あたしはベートーベンの曲が大好きである。 なかでも、今年はなぜか交響曲第五番ハ短調、俗名「運命」を偶然聴く機会が多くて、 うまく言えないけれど、ハマっている感じ。 四歳からオルガンを習っていたので、 バッハのミサ曲は、もちろんぜんぶな訳はない…

稜線の波

山並みが続く。 越えた山の頂から、次の山はくっきりと。 次に続く山は少しぼんやり、徐々にぼやけて朧に見晴るかす、続く山並み。 まるで稜線の波のよう。 体じゅうの勇気を振り絞って決定をなすほど、空は晴れてなく。 熱意が漲るような雰囲気でもないけれ…

珈琲

今日10月1日は、珈琲、コーヒーの日、と昨日のニュースで知った。 コーヒー協会、という団体があって、そこのHPには、 国際協定によって、コーヒーの新年度が始まるのが10月1日。 この日がコーヒーの新しい年のはじめになるわけです。 日本では秋も深まり、…

新蕎麦

今週末の入稿で、ひとつ仕事が片付く。 そして、今宵、初稿を二本出して、取材のアポも、ほぼ取り終えて、かなり一段落。 いまは、もう、部屋に居るのだ、嬉しい。。。 なんとなく、今週のお題「秋のおいしいもの」。 秋と掛けまして、おいしいものと説く。 …

有限

仕事が六つ動いてて、 そのうち一つは納品がずっと先なので、きちんと作業スケジュールを組めるのだけれど、 ほかの五つは、ぜんぶ十月の中旬までに順次納品なのだ。 ここまで重なるのははじめて。 うちの事務所は少数精鋭、いや精鋭というのは言い過ぎだけ…

月夜

雨が上がった今宵。 さっき、仕事帰りに、ふと空を見上げたら、てっぺんに、ちょっと欠けた月が居た。 待ってた、みたいに。 心んなかが暖かくなって、ほんのり嬉しくて、ついニコッとして、しばし空を仰いでた。 こんな夜更けの静かな道のまんなかで。 まん…

初秋

33〜34℃あった気温が秋分を境に17〜18℃になり。 明け方には14℃とかで、今朝など、つい暖房を入れてしまった。 11月中旬ぐらいの気温、だと気象予報士が話してた。 いつのまにか秋…と、緩やかな変化を味わうかわりに、 ジェットコースターに乗って、山や川、…

秋分の雷雨

今朝早く、地響く、ものすごい雷で起きた。 耳のすぐそばで、大太鼓を思いっきり叩かれたように。 聞いたことのない轟だった。 きっとすぐ近くに、少なくともみっつほど落ちたはず。 どうか事故なく、人身に害のない落雷であればいい。 秋分の日に、区切りを…

十五夜

もう日付けが変わってしまったけど、今宵9月22日は、中秋の名月。 十五夜。 どうか夜まで晴れてね、と、空に向かって祈りを捧げてた午後(笑)、 満月仲間の古い友達から、ひさびさのメイルをもらった。 彼は、海で月を愛でるらしい。 風雅な人だから、きっ…

Amor

愛について。 二十代の学生時代から、そして、生臭いけれど、今も、心許せる人と呑むと、 時折、愛って、なんだろうね、って話題になる。 語り尽くせぬことは承知のこと。 ただ、愛について語るとき、その話す瞬間の、その人、そしてあたし自身が見えてくる…

解決法

午前三時頃、帰宅。 悲しいかな、仕事場から、だ。 下に住む方が留守のようなので、思い立って、そおっと部屋の模様替えをした。 といっても、あたしはボロアパート住まいなので、 台所と大きな押し入れを抜かせば居室は六畳一間。 模様替したのは本棚と机の…

奈良の時

事務所で仕事中、つい、奈良の風景をテレビで見てしまった。 見てはいけないのだ。 なぜなら、無性に行きたくなってしまって、仕事など、どうでもよくなってしまうから。 危険なのだ。 時折書いてしまうけど、数年まえ、十月、あたしはひと月丸々休暇をとっ…

上野散歩

早朝、上野の森を友達と歩いた。 故郷から遊びにきた古い友達と。 少しまえの涼しい朝に。 お父様を亡くした頃からずっと問題が絶え間なく彼女に降り注いでて、 話を聞いてほしい、という彼女の誘いに応えたのだ。 始発の新幹線を利用してまで上京する。 そ…

珈琲

うちの近所に、とてもおいしい珈琲屋さんがある。 行くたびにおいしくなってるのが、素晴らしい。 店でゆっくり呑む時間が最近はあまりとれないので、 珈琲豆を買って、部屋でいれるのだけど、買うたびに、香りも味も、高まってる。 店のご主人は広告するの…

秋の気配

昨日はひさしぶりに、ちゃんとした夜に帰宅できた。 近所のスーパーで、これまたひさしぶりに、ざわざわ賑やかな雑踏の中で買い物した。 ゆっくり風呂に浸かって、軽く料理を用意して、冷やを呑みつつ、ぼーっ。 いいなぁと、しみじみ思いつつ、さまざまなも…

陽炎の海

横須賀の近く、三崎、という場所が、あたしはとても好きで。 今夏も、たしか猛暑になったばかりの頃に行った。 呼吸するように流れてく時間のスピードや、 人が大地に暮らす生き物なのだと思い出させてくれる長閑な人々や、 草の匂い、山の香り、そして、海…

水琴の音

沁みる水琴の音。 あたしの友人がくれた音は、どっかで見付けたCDなので、ここで紹介できず。 youtubeで、音が美しいもの、探してみました。 「庄原市口和町郷土資料館に2010年3月に完成した水琴窟の音色集」というもので、 静止画の地味な写真なのですが、…

水琴

古い友人が、水琴の音を送ってくれた。 いわゆる水琴窟[すいきんくつ]の音。 地中の空洞に落下する水滴の音。 抹茶を戴いた時に庭園で聴いたり、お寺の庭で聴いたりは、たびたびあるのだけれど、 ROM から水琴の音を聴いたのは、はじめてだった。 送ってく…

朝の光

今朝、部屋に戻ったとき、雲から天に向かって照らす、光の筋を見た。 部屋からすぐの公園では、大きな広場で朝のラヂオ体操をやってて、 登校途中の学生や、早出の通勤者で、界隈はザワザワしてた。 いつもの午前四時ではなく、も少し粘って仕事しちゃったの…

宵の明星

一週間ほどまえから、朝帰りが続いてる。 今ぐらいに部屋に戻り、三時間ほど眠って、また仕事場へ。 自転車が相棒になりつつあるこの頃。 満月が空に浮かんだあたりから、いつも月の近くに輝く星がいる。 金星だ。 いわゆる、宵の明星。 いつも、というか、…

満月

藍空の高い場所に、満月がぽっかり浮かんでる。 もし、想いを、空に浮かべることができたなら、 きっと月光に照らされて、どんなイロでどんなカタチなのか、わかるだろうな。 運命の輪、というものがあるとしたら、 それは、きっと、月のようなモノじゃない…

言葉にできないさまざまなことが、めまぐるしく日々起こってて。 輝く朝日を眺めてても、灼熱の陽を浴びてても、夜陰の風と呑んでても、 歩いてきた道や、これから歩いてゆくまだ見ぬ道に、想いが巡ることしきり。 あきらめないで。 という言葉を、あたしは…

蝉時雨

今朝、あたしは蝉時雨で起きた。 ここ数日の、ちょっと涼しげな風が嬉しくて、窓を網戸にして、そのまま眠ってたのだ。 借景にしてる大きな公園は、三十歩ほどで着く。 その公園の大きな樹々を宿にする蝉たちが、あたしを起こしてくれた。 すこし暑いけれど…