2010-01-01から1年間の記事一覧

Gracias

海に行って。 ズボンの裾を捲し上げて、砂浜を歩いたり、 岩場をがんがん歩き続けて、元気に泳ぐ小さな魚を眺めたり、 足下にいる小さな貝を手にとって、引っ込めた体をちょっと見て波に戻したり。 そんなことしながら、海を抱きしめて。 森に入って。 樹々…

una memoria

もう十年ほどまえのこと。 仕事で秋葉原に出向いたとき、裏道に、なんとも風情のあるボタン屋さんを見つけた。 高い天井まで、びっしりさまざまなボタンが壁に並んでて、 広い店内なのに、祖父や祖母ほどの年齢の紳士淑女、たぶんご夫婦だけが店内にいた。 …

メメント・モリ

夏の音は、蝉時雨[せみしぐれ]と、蜩[ひぐらし]。 陽炎のなかで、天から降ってくるような蝉時雨。 都心では聞けないけど、土と水の匂いがする場所で、日暮れ近くに鳴く蜩。 そして、地響くような花火の、どーん、という音、と、火薬の匂い。 打ち上がっ…

土壌

今週のお題「生まれ変わったら○○になりたい!」。 学生時代、生まれ変わったら、なんになりたい?という質問をされたとき。 あたしはこんなふうに答えた。 鯨、くじら。 なれなかったら、象、ぞう。 それもだめだったら、大樹。 あたしに質問したその人は、 …

鰻重

今日も暑い、けれど、ひさびさに自転車通勤してみた。 お陽さまはテカテカ元気だし、心臓もバクバクしてるけれど、 風を切って、自転車をこぐのって、気持ちいい。 ランチは、友人が最近見つけたという、隣駅の鰻屋まで、再び自転車で。 鰻、うなぎは、好物…

正面

あたしは昔から相談を受ける側。 そして、あたしは人に相談ができないたち。 心療内科に通う友達数人は、 一週おきに、入れ替わり立ち替わり相談の電話やメイルをくれる。 心を撫でるような話し方、言葉遣いをずっとしてた。 テレビで専門家がそう言ってたか…

川渡り

大切に積み上げていたときは、一日一日、綱渡りをしてるような心持ちだった。 ちょっとまえ、岸に辿り着いて、深く息をしてから、 綱渡りをしてたことを懐かしく思えるようになってきた。 ぐらぐら、どきどき、どこに通じてるのか、どこに辿り着くのか。 日…

想い

想いは、時間も、空間も超えて、届いてる。 言葉に出さずとも、行動に移さずとも、想いは、届く。 だから、こんなことしちゃった、とか、 あんなこと言っちゃった、とか、そんなの、時間を超えて、風になる。 だいじょうぶ。 それでも、言いたくなる。 それ…

月夜の会話

金色の月を見てから、月を仰ぐ、という習慣が戻ってきた。 今宵の黄金色の月も美しい。 たしか月曜に満月だったから、すこし欠けたたまご型の月が出てる。 ほっこり、という言葉がハマるかわいくて気高い月。 なん年かまえの正月。 大晦日に帰郷して、弟の息…

金色の月

午前二時頃、金色の月を観ました。 会社の金策や、仕事になるかどうかわからぬ打合せ、取引先の倒産で仕事がぽしゃったり、 トンネルをひたすら歩き続けるような作業、そして、未来への想い。 そんなことで、頭も心も、時間もいっぱいで、空を仰ぐことを、し…

天女の命日

7月22日は、日向子さんの命日。 2005年、もう5年も経ってる。 日向子さんとは10年近くお仕事をさせて戴いてた。 お酒、特に日本酒と、蕎麦が主食だ、とよく笑顔で話してらした。 仕事抜きでご一緒した蕎麦屋では、 実に美しく蕎麦をたぐり、美味しそうに蕎麦…

大泉 洋

突然だけれど、かな〜りまえから、あたしは、大泉 洋が大のお気に入りである。 民放のドラマや大河なんかに出てがんばってるのは大いに認めるけれど、 そんなんじゃない、北海道テレビの、いち地方局の番組での、素の大泉が大好きなのだ。 というよりも、大…

España

24時間ほどまえ、FIFAワールドカップの決勝戦が行われてた。 ”あたしが生で観ると望む結果を得られない”というジンクスを持つあたしだったけど、 ドイツvsスペイン戦で、そのトラウマがちょっと払拭されたので、 勇気を持って、生中継でオランダvsスペインの…

壁越え

昨日、スポーツ観戦について書いたので、なんとなく、 今まで体感したスポーツについて、思い返してみることにした。 幼少の頃は、家の庭の大きな樹に登ってた。 これはスポーツじゃないな、削除。 小学校は、四年生でなんかクラブに入らなければならず、バ…

Fútbol

幼い頃、野球好きだった父に連れられて、あたしたち兄弟は、よく野球観戦に行ってた。 大抵の場合、正確には、ほぼ100%近い確率で、我が家族が応援してるチームが負けた。 家でテレビを通して野球観戦してる時も、あたしが見てると、やっぱり、負けた。 東…

777

今日は七夕。 と、もひとつ、あたしには記念日でもありまして。 7年まえの今日、ブログをはじめたのでした。。。 はじめたのはodnのマイページで、Hatena::Diaryでのはじめての誕生日、です。 実家から上京して、新天地で最初に迎える誕生日、みたいな感じ、…

長電話

今朝未明、ひさしぶりに古い友達が電話をくれて、つい三時間近くも長電話してしまった。 最近ぐっとキタ映画の話から、 戦争や経済破綻を含めた世の中の平和、なんかについての話になった。 彼女には旦那さま、娘さんがいて、 家族を持ってから、映画も世の…

峠:その後

ちょっとまえに書いたお話の続き。 * 男は、見知らぬ男と、旅を続けてました。 なぜか、歩いている時は、いつも無言でした。 それぞれ、ひとりで旅していた時と同じように、 幾つもの山を越え、谷をまたぎ、峰にそって歩いたり、野原に出くわしたりしました…

梅雨

月曜から梅雨入りしてたことを今日知って、ちょっと恥ずかしかった。 家族のこと、自分のこと、仕事のこと、やなんやかんや考えてるうちに、 季節は、ちゃんと次の段階に進んでるんだな、と。 はっ、と我に返ったような気分になって。 改めて、自然の摂理に…

家族

父の十三回忌を終えて、帰郷から、帰京。 年を経て、家族の暮らす形がさまざま変わり、事情もさまざま加わってくると、 今までは問題とも思わなかったことが、大きな壁になって、立ちはだかったりする。 母やあたしたち兄弟それぞれが、みなそれぞれの立場で…

朝の月

仕事を一区切りつけて、事務所を出て。 空を仰いだら、視線の真っ直ぐまえに、まぶたを閉じたような月が浮かんでた。 ついさっきの空のこと。 小さいナイフで、空を、しゅっ、と切って。 朝靄の向こうにあふれてるまばゆい太陽の陽射しが漏れてるみたいに、 …

蜃気楼

路線バスで仕事場に向かってた時、運転手さんのすぐ後ろの高い席に座ってた。 昼間、アスファルトから蜃気楼はのぼらなかったけど、とても暑かった。 ぼぉーっと幹線道路の隣りを走る車を見てたら、ふいにもうろうとした。 ゆらゆらバスが走ってるのはわかっ…

お話をひとつ。 * ひとりの男が、険しい山々を越えながら、旅をしてました。 山は幾重にも続き、やっと登り終えた、その峰から見える景色には、 いつも、連なる山脈がありました。 それでも、男は山に挑み、山頂に辿り着いては、山を下り、 そして、また山…

日記

二週間ほどまえから、めまぐるしく、いろんな出来事が起こってる。 世の中もそうだけれど、特に、あたしに。 と、自分なので、そう思ったりするかもしれないけど。 * まず、世の中に起こってることについて、ちょっとだけ。 日本は、第二次世界大戦で、負け…

午前四時

午前四時。 夜と朝の隙間の時間。 小学生の頃から夜鷹のあたしは、このあたりの時間がとてつもなく好き。 漆黒の夜闇から、深い紺、紫、薄紫、深い桃色、と言葉にすれば、そうなるけれど、 えも言われぬ美しいグラデーションを見せてくれる午前四時から朝に…

金星と月

昨晩、トルコの国旗のような、美しい空模様に出会った。 金星と月。 親指と小指を思いっきり広げたくらいの、わりと平べったいお皿を用意します。 その皿を真横から見て、ちょっと左を下げます。 これが、昨晩の月。 その真横から見てる皿の、右と左の端を視…

邂逅

入江泰吉、という写真家がいる。 正しくは、いた。 奈良、つまり大和の自然と、奈良に生きる仏像を数多く写真におさめた人。 泣きたくなる写真を撮る人。 邂逅(かいこう)とは、思いがけなく出あうこと。偶然の出あい。めぐりあい。の意。 入江泰吉の写真集…

徒然に。

最近、あんまし書いてなかった仕事のこと、ちょっとここへ。 まえにもちょっと書いたけれど、あたしは信頼する友人と会社をやってて、 といっても、フリーの隣りのような極小の法人組織だけれど。。。 まず仕事を作ることから、仕事が始まるのです。 今まで…

偶然

出会うべき人と出会えたことを、人はどうやってわかるのだろう。 あたしは、まわりに素晴らしい人たちが居てくれて、 自分で言うの間違ってるかもしれないけど、幸せ者だと心から思う。 出会うべき人、って、ひとりだけじゃない気がする。 まえにも書いた、…

上野動物園

先月の桜見の帰り、ものすごいひさしぶりに上野動物園に行きました。 平日なのに家族連れやいろんなお客さんで、すごくごった返してて、賑やか。 人が大勢いる場所は、あまり好きではないのだけれど、 たまにはこんなわさわさ楽しむのもいいな、と思えました…