瞳月

漆黒の夜空に、猫の瞳のような月があった。


浮かんでる、というのとは違って。
そこに存在してる。
そんな月だ。


じいっと、こっちを見抜いてる猫の瞳。


そこには悪意も善意もなくて。
ただ、見てる。
そして、見抜かれてる。


ちっぽけなことなど、どうでもよくて。
その先を、その奥を、もっと深みを、もっともっと真実を。
それを捜せ、と、空の瞳が、無言で知らせてる。


 おまえの真実は、どこにある?
 真実こそが、次の扉を開けるのだ。


あたしは、越える。
あたしは、超える。


ちっぽけな恐怖などぶっ飛ばして。
想像できる望む未来の、その先を、見たい。