宵の明星

一週間ほどまえから、朝帰りが続いてる。
今ぐらいに部屋に戻り、三時間ほど眠って、また仕事場へ。
自転車が相棒になりつつあるこの頃。


満月が空に浮かんだあたりから、いつも月の近くに輝く星がいる。
金星だ。
いわゆる、宵の明星。


いつも、というか、この一週間、集中力が保てなくなる午前四時、
仕事場を出て、空を仰いで、欠けてゆく月と、その相棒の、金星を見てる。


部屋に戻って、お茶を呑みながら、ひととき、仕事から自分を引き離してる。
ベランダの大きな窓を開けて、明けてゆく朝と、白む月と、輝く金星を眺めながら。


仕事を得るためのプレゼンと経費削減のための打合せ、金策に走ってた毎日から、
一転、超急ぎの仕事に追われるこの頃。


 揺さぶられてる。


そう思ったりもするけれど、


 意志を持って、流される。


のだ。


次は、あたし自身なにを得られるのか。
なにを学ぶのか。
どこに舵を切ってゆくのか。


夜と朝の隙間の時間、月と宵の明星に照らされながら自転車を漕ぐとき、
そんなことばかりが心を駆け巡ってる。