川渡り

大切に積み上げていたときは、一日一日、綱渡りをしてるような心持ちだった。
ちょっとまえ、岸に辿り着いて、深く息をしてから、
綱渡りをしてたことを懐かしく思えるようになってきた。


ぐらぐら、どきどき、どこに通じてるのか、どこに辿り着くのか。
日々、怖くて、やるせなくて、どうしようもなかったのに。


今は、生きていることに、自信を持ってる。
なんだかそんな感じなのだ。


偉業を成し遂げた訳でもなく、みながわかる変化を遂げたわけでもないけれど、
あたしは今、生きていることを、今まで以上に肯定できてる。
驚くほど絶対的に。


とにかく歩いてる。
綱渡りで大きな川を渡り終えて、あたしがどこに辿り着いたのか。
まずは、それを知るために。