正面

あたしは昔から相談を受ける側。
そして、あたしは人に相談ができないたち。


心療内科に通う友達数人は、
一週おきに、入れ替わり立ち替わり相談の電話やメイルをくれる。


心を撫でるような話し方、言葉遣いをずっとしてた。
テレビで専門家がそう言ってたから。


だけど、あたしは、率直な想いを話す方が、ほんとの意味で、救える気がする。
本気で、思い遣る気持ちを持って、本音で話した方が、ホンモノの救い、な気がする。


心が病んでる、のではなく、心がとても疲れている、のだ。


病気なんかじゃない。
現代病なんかじゃない。
新聞や雑誌の表紙を飾るように、コピーライティングで、作り上げられてるだけだ。


みんな、辛いんだ。
辛さの種類は違えども、いろんなこと乗り越えながら、がんばってるんだ。


 俺の気持ちなんか、わからない。
 あたしがどうしてこんなになったのか、わかるはずないじゃない。


そう、彼らは言う。


 もちろん、わからない。
 わかるはずない。


 だけど、彼らにも、あたしの気持ちのすべては、絶対にわからない。


みんな、お互いに、すべてをわかり合うことなど不可能なんだ。


それにあぐらをかいて、だだこねてるだけじゃ、どうしようもない、じゃないか。


それでも、がんばるんだ。
それでも、あきらめないで歩くんじゃないか。


辛かった時期は、かならず、素晴らしい宝を生み出してくれる。
そして、いつか必ず、辛さ、は、想い出に変わる。


今まで以上に強く願うよ。


 あきらめないで。


と。
想えば、届く。
そう、強く信じながら。
どうか、ぜったいに、あきらめないで。