長電話

今朝未明、ひさしぶりに古い友達が電話をくれて、つい三時間近くも長電話してしまった。
最近ぐっとキタ映画の話から、
戦争や経済破綻を含めた世の中の平和、なんかについての話になった。


彼女には旦那さま、娘さんがいて、
家族を持ってから、映画も世の中に対する考えも変わったんだ、と語ってた。


攻撃して切り開き、開拓してゆくことが一番の喜びだ、と語ってた昔の彼女。
今は、愛するものを守り抜く勇気と力が欲しい、と言ってた。
もちろん、どちらも、素晴らしい。


 発端が宗教であれ、金儲けであれ、
 戦争で家族を失い、尊厳すらも無くさなければならない状況を受け入れるって、
 そんなひどい世界、おかしいよね。


ユダヤの世界は多種多様な人種が混在してるんだよ、ほんとは。
と言ったあたしの言葉を受けて、
世の中の平和に関する話を、彼女は、こんなふうに切り出した。


 だからといって、自分や、自分の娘を支援団体なんかで働かせられるか、って言ったら、
 それは、いやなんだよね。
 自分のなかで矛盾してる気がするし、
 偽善者なのかもしれない、って、自信なくしかけるんだよね。


と、彼女は続けた。


 それは、違う。
 矛盾してないし、偽善なんかじゃないよ。
 大きな声をあげて大勢を先導したり、鼓舞したりすることよりも、
 もっと大事なことがあるんじゃないか、と、あなたが思ってる証拠だよ。


そうあたしは彼女に言い、こう続けた。


 あたしの考えであり、あたしが信じてることだけどね。
 まずは自分をきちんと愛することからはじめなきゃいけないと思うんだ。
 そして、自分の家族だったり友人だったり、まわりで支えてくれる人や、
 守ってくれる人、世話になってる人を、
 できる限り、手を差し伸べられるべき時は助け、素晴らしい関係を創る努力をする。
 そっからだと思う。


なぜなら、あらゆる場所でそれが行われたら、
水面に落ちる雨粒のように、多くの波紋が広がり、すぐに水面は変化する。
そう考えてるし、そう信じてるし、
なにより、みんながはじめられる素敵なことだと思うからだ。


会ったこともない世界中の人や動物、大自然、とりまく環境、地球自体、浮かぶ宇宙の
明るい未来を願うのは、もちろん素晴らしいこと。


けど、まずは、
自分の手が届くところから、まず幸福の輪を広げてゆくことが、大切な気がするのだ。


あたしの指針のひとつである、ガンジーの言葉。


 変化を見たいなら、まず自分が変わりなさい。


なにもしてくれない、と、だだをこねる前に、
自分はなにができるだろう、と想い巡らせる人でいたいと思う。