午前四時

午前四時。
夜と朝の隙間の時間。
小学生の頃から夜鷹のあたしは、このあたりの時間がとてつもなく好き。


漆黒の夜闇から、深い紺、紫、薄紫、深い桃色、と言葉にすれば、そうなるけれど、
えも言われぬ美しいグラデーションを見せてくれる午前四時から朝になる、その空が好き。


鳥が鳴きはじめて、遠く聞こえる車の音が徐々にくっきりしてきて、
早起きのお宅の雨戸の空く音、もうしばらくすれば、新聞配達の原チャリの音がする。


はじまる色と、はじまる音。
それを感じるのが好き。


今朝は、紫からグレー、今は白い空が広がってる。
なんの鳥だろう、みんなになにか教えるみたいに激しく泣いてる。
天気が崩れる日は、いつもあの鳥が、朝いっぱい鳴く。


雨が降る日だ、きっと。


そう思う日は、遠く聞こえる車の音に混じって、クラクションがひとつも響かない。
ゴー、って音だけ、そんな日も、決まって空が崩れる。


鳩の声。
すぐは降らない、って合図。


ぜんぶ、たぶん、ね(笑。


そんなことに想い巡らすのも、この時間の楽しみのひとつ。


もう眠ろう。
四時間ほど。