江戸弁

 方言を持ってるの、羨ましい。


そんなことを、今日、言われた。
この言葉を言ったその人は、生まれた場所は東京じゃないけど、
物心ついた頃は、もう、こっちの人間になってた人。


あたしは学校に入学すると同時に東京に来た。
ここには、地方出身者がたくさん居る。


葦の原だった江戸を、街にした家康まで遡れば、
東京を構成しているのは、地方出身者だけれど。


無性に、生まれた郷の言葉で話したくなることがある。


同業者で、同郷を見つけたとき。
打合せ中なのを忘れ、二時間も話し通しだったことがある。
お互い驚いて、気を取り直して仕事に戻ったり、した。


けど、東京にも方言がある。


寄席に行けば、それを実感できる。
柳家小三治が、絶品。