銀月
十五夜は、昨日、十月四日だ。
イヴを書いた日から、あたしはどうやら気が迫って、
一日早く、十五夜を体験してた、みたいだ。
つまるとこ、一日、間違えてた。
はなから、こんな失態をしてしまった。
反省。
しかしながら、昨日の月も、実は、堪能した。
つまり、ほんとの十五夜も、妄想の十五夜と同じく、じっくり感じた。
東南の空高くに、十五夜は居た。
銀のヴェールをまとったように、華麗で、可憐だった。
オーロラみたいに、見たことはないけど、
写真で見るオーロラのように、月のまわりを広く円が囲ってた。
大きな皆既日食の真ん中に、針でつんと穴を空け、
そこに銀がぎゅっと顔を出してる、そんな感じだった。
実に美しかった。
無著の月の翌日、今年の十五夜は、観音様の瞳のように、思えた。