酔狂


Billy Joel / Piano man





ワルツは心を穏やかにしてくれる。


piano man は、あたしの原風景を想い出させてくれる。
川のほとり、鉄橋の橋脚の煉瓦に触れて、
ゴトンゴトンと電車の通る音を感じた夕暮れ。


夜が明けるまえに帰宅して数時間眠る毎日、
眠るまえのひと時、喉を潤すのは、最近 TIO PEPE。
Spanish の SHERRY 。


酔狂。
酔興とも書くらしい。
忙しければ忙しいほど、なぜかモノコトを想い巡らせたくなる性分。
SHERRY もすすむ。


あたしの仕事は制作。
というか編集。
忙しくなると自分の力ではどうにもならなくなる。
みんなの力を結集しても、どうにもならなくなる。
今や化石の、いや次代を担う、紙媒体業界なので、
決めた日時に印刷に入れるために、時には命を掛けることになる。


改めて酔狂だけど。


愛とは。
なんだろうな、と想う。


愛、という言葉を想う時、
人生、という言葉が重なる。


愛する、とか、愛される、とか、ではなく、愛、を想う時。
矢印の起点や方向の絵は想い巡らず、
漠然と、やわらかい光が描くまんまるが浮かぶ。


一点を目指して猪突猛進して到達して得る、ことに興味はない。
たぶん、愛、って難解な言葉を読み解く取っ掛かりは、
ご飯食べたり、爪切りしたり、疲れて帰ったり、忙しかったり、頭洗ったり、
生きてるぜんぶを、愛かもな、と想うことから始めてみよっかと思う。


人は、愛を抱いて生まれる。
愛に悩み、愛を得、感じ、生き、愛を抱いて人生を終える。
イキモノには愛が宿ってる、のかもしれない。


眠るときにはワルツがいい。
子守唄みたい。