慕情

花の季節が過ぎると
緑が空に、道に、手を伸ばすよう。


いつもの道がちょっと狭く思えるほど、
新芽が、あたしの手や顔を、撫でる。


空の景色に、緑が色を添える。


歳を経て想う、
緑の季節は、美しい。


花のように生きたいと願いながら、
新緑の生命力に圧倒され、恋しく愛おしく想う。