迎星

三が日過ぎの正月四日未明。
年末のふたご座流星群に続いて、しぶんぎ座流星群の極大日を迎えた。
このふたつにしし座流星群を加えると、三大流星群、と言われる。


四日の午前三時半、ふたご座ん時と同じく、
靴下二枚、スパッツ二枚に裏フリースの防寒ズボン、
タートルにセーター着てダウン、
という完璧防備で、茶畑のど真ん中に向かった。
これから二時間、寒風の中で、じっと空を仰ぐのだ。


夕暮れまでは完璧に晴れてたのに、陽が落ちたら、雲が湧き出てきた。
北斗七星も霞むほどの雲。
木星は輝いてたけど、
しぶんぎ座流星群が見えるだろう方向とはかなり違ってる。


冷たい地面にスポンジの入ったマットを敷いて、
北北東の天辺に近い空を仰いだ。
雲がもくもく湧き出てくる。
カイロ替わりに買ったペットボトルのお茶を、
ポケットの中でニギニギしながら、
今年は無理かなぁ、と思った瞬間、
しゅ、と光が流れた。


また二十分ほどして諦めかけた頃、
しゅわー、と、ものすっごく明るく太い流星が流れた。
見たことのない光の塊だった。
そのあと、厚い雲を切るように、六本、光の筋が見えた。


諦めなければ、光の塊が、輝くのか。
と想った。


ブレイクスルーの扉は、いつもの風景のそこかしこにある。
次元も、時空も超えて、みんなが幸せになれる年でありますように。