想い




Bill Evans / Waltz For Debby


ジャズを聴きはじめて初めて好きになったのが、Bill Evansだった。
今夜は風が強くて。
暖かくなれる曲を、と浮かんだのが、Waltz For Debby。





がんじがらめに考えるのをやめて、ふっと手を離すと、
悩んでたときと違う時間が流れて、理由がわからないけど、うまくいくことがよくある。


振り返れば、手を離して、一度放っておくのがいいんだな、って思えるけど、
ぎっちり向き合ってるモノコトから、考えを逸らすこと、つまり手を離すときは、
諦め、に似た気分が襲ってきて、とても暗くなる。


どうしようもなく想うモノコトに向き合っていられない時もある。
仕事が否応もなく押し寄せてきて、
他のことを考える余裕さえ与えてくれない時なんか。


チャンネルを切り替えるのよ、と言われたこともあるけれど、
残念ながら、あたしの心んなかには、感度のいいチャンネルが無いらしく。


だから、いつも、あたしは、思うモノコトを窓の景色にして、
仕事という建物に入って没頭する。


窓から見える景色が嵐に変わっても、今はどうにもできない、と、
妙な納得ができるから。


それでも、あとになれば、手を離すことが大切なのだ、とわかる。


言葉では決して説明し尽くせないモノコトを、音楽は、優しく想い出させてくれる。


過去と、今と、未来は、ぜんぶ繋がってる。
絡み合い、重なり合い、ときに、時間を、時空を超えて、反転し。
そのすべての時間に、想いが籠められてく。