個性

 そんなことしたら、俺らしくないよね。
 みんなが望んでること目指せば、みんなが喜んでくれるじゃん。


そんな言葉を聞くたびに、あたしはいつも嫌な感じがしてた。
なぜ嫌な感じがしてたか、その答えがわかった。


自分に刷り込んだ”らしさ”とか、まわりの人が求める”らしさ”とか、
そんなもの、成長を妨げる鎖や柵に他ならない、って。


植物が、苗の頃、茎を伸ばす時期、葉を開く時期、花をつける時期、
それぞれに必要とする栄養素や、成長の仕方を変化させるように、
人も、その時期ごとに、成長の仕方が変わるはず。


成長していない人から見たら「おまえ変わったな」と思われるかもしれないけれど、
自分で居るために、自分を成長させるために、
その時期ごとに、変化を繰り返して、成長してゆくのだ。


たぶん、きっと。


"らしさ"なんて、厳守しなくても、消えるはずがない。
自由に感じ、自由に想い巡らせ、自由に考え、行動すればいい。


個性は、主張するもんじゃない。
守るものでもない。
滲み出てくるものだ。


固執してたら、逆に、自分じゃなくなっちゃう。
それに、成長できなくなっちゃう。