晩夏
光陰矢の如し。
気付けば八月が過ぎてた。
尊厳の根本は、心からの愛を尽くすこと。
多彩な出来事が駆け巡った今年の夏、わかったことのひとつ。
どんなときも、どんな状況でも、どんな事態にも、どんなコトにも、
尊厳を持って、相手の、また出来事の、尊厳を尊重することが、
掛け替えのないナニカを与えてくれる。
モノゴトがうまく運ぶかどうかなど、ただの結果で、
愛を尽くすこと、つまり尊厳を見失わないことに較べたら、
確信ではない気がする。
山波が美しかった北アルプス。
盆過ぎの薄曇りの早朝。
盆には帰郷して、仏壇に、お墓に手を合わせた。
弟たちがお迎えした祖先を、盆の暮れ日に帰ったあたしが、お墓にお送りした。
そして、父を想い、じいちゃんを想った。
あたしの大好きな人たちが、みんな笑顔で過ごしてくれることが、あたしの幸せ。
それを深く願いつつ、そのためにあたしになにができるだろう、と思えるようになった。
夏が過ぎてゆく。
黄金色の秋が、夏と混ざり合いながら、月の美しい九月が来た。