朝月

眠れずに、きれいな朝が明けた。


もうしばらくしたら洗濯機を回そう、
と、先に、洗濯物を入れておこう、とベランダに出た。


ら、真っ青に突き抜けた空に、ぽっかり月が浮かんでた。


隣りの家の柿の木が、青々とした葉を天に伸ばしてる借景で、
あたしに用意してくれたみたいな、素敵な出会いだった。


半分くらい欠けたその朝月は、ほんとに、ぽっかり、と浮かんでて。


ぼんやり仰いでたら、
なんだかとても幸せな気分になった。