朧月夜
今宵は朧月夜。
銀色のオーラをまとった崇高な月が浮かんでる。
一日が終わる時。
でき得る限りのことをやれた、明日も頑張ろう。
そう心で呟いてる自分に気付いた、今日、事務所を出る時。
なぜか、未曾有のことが連続して起きてて、しかも現在進行形で、
そんなかでも、ものすっごい頑張ってる人達がいっぱい居て、
無意識に、今できることを一所懸命にやろう、と思ったのかもしれない。
朧月夜は、まわりに散りばめられた銀の粒が、ゆうっくり、舞い降りてくる気がする。
きっと眠りについた、そのあとで、誰にも知られぬ速度で、
すべての人のもとに、舞い降りる気がする。
手伝いましょうか、なんて朧月夜に言ったとしたら、きっとこう言う。
銀の粒を、そおっと届けるのは、私の仕事なんだ。
手伝ってもらったら、意味がないんだよ、
みんなで一緒に頑張れることもたくさんある。
だけど、たった一人でしか、できないことも、ある。
ひとりでやらなきゃ、意味がないことなのだ、それは。
どんなに辛い想いを抱えてるとしても。
朧月夜は、寡黙に、そんなことを悟してる気がした。
銀の粒が、すべての人に舞い降りたら、きっと今よりちょっとだけ、今を肯定できる。
愛しい亡き人は、あなたを全力で守り、愛してる。
どうか、負けないで。
あなたらしく生き続けることが、愛しい亡き人達を一番喜ばせることだから。
美しい朧月夜。