藍色

四時頃事務所を出て、車を拾い、部屋まで公園の脇をゆっくり歩いた。


見事なほど美しい藍色の空に、半分の月が、空高く浮かんでた。
高くに浮かぶ月を隠すほどに、公園の大樹が緑を伸ばして、朝の風にさわさわと揺れてた。


鳥の声が、かしましいほど重なって聴こえてた。
暖かくなる春の日の朝は、いつも鳥たちが騒がしい。


濃い藍色の空、金色の半月、芽吹き続ける緑、風の音、鳥の歌。
あまりに美しく心に響いて、完璧、と心のなかで呟いてた。


書き留めておきたかった、美しい朝の情景。