What's Going On




小学生の頃、「soul train」というsoul&bluesばかり流してた深夜テレビ番組を見てた。
日曜の深夜、月曜の午前2時〜4時くらいだったと思う。


当時あたしはオルガンを習ってて、
バッハと並行して往年のロックやポップス、ブルースの編曲を日々弾いてた。
ビートルズは、聴くよりも、弾いた方が先だったほど。
今のようにスカパーなんてなかった時代だったので、
テレビから音楽が流れてくると、つい魅入ってた。


今もそうだけど、小学生の頃から夜鷹で、深夜には、狭い家だったにも関わらず、
一人で起きてて、イヤホンでラジオ聞いたりテレビ見たり、オルガン弾いたりしてた。


そんなある日、偶然「soul train」という番組に出会い、
番組の配信が終了するまでのなん年もの間、たぶん欠かさず魅入ってた。
グルーヴ感がたまらなく好きだったのだ。


紹介の映像は、Marvin Gayeマーヴィン・ゲイ]/「What's Going On」。
いつもあたしが自分自身に問いかけるテーマのような曲。


Marvin Gaye と、これはジャンルを超えた人だけど、Queen の Freddie Mercury は、
出会った頃から今も、あたしにとって最高のシンガー。


What's Going On。


虚しいことをどうして続けてるのか。
いったい、なにをやってるんだ?
哀しい行為は、もうやめにしようよ。


あたしは歌詞から、そう受け取ってる。


時は絶え間なく流れてる。
生きてくなかで、意図するしないに関わらず、望むか否かに関わらず、
幾度か、それ特有の自分自身の時代が築かれる。
世の中の時代もそう、人の意図しない時に線がひかれ、時代が出来上がってく。


人を含むイキモノはみな、風がうねるように、満ち引きを繰返す波のように、生きてる。
一瞬とて同じ時間は流れない。
毎日が同じことの繰り返し、のように見えても、一瞬たりとて、同じ時間は、ない。


どんなふうに生きていようとも、みな、命を掛けて生きてる。


生まれたその瞬間から、死に近づいてる、とも言えるのだから。
けど、それは、澄み渡った空の奥は、ほんとの空は、漆黒なのだ、と言うのに似てる。


これが、ほんとの、表、と、裏、だ。
自分の心に嘘をつく人の上っ面の顔と心は、表と裏なんかじゃない。
それは、ぜんぶ嘘なだけだ。


頭で決めたことを心で判断するのじゃなく、
感じたことを心にためて、時満ちて選択をしてゆく。
その選択したあと、手段を頭で考える。
これが、あたしの、生き方の理想。


流れる時の一瞬一瞬を、つかまえることなど不可能だ。
けど、時に、ぴたりと時と心が合わさる瞬間がある。
それを積み重ねて、生きていきたい。
あたし自身の時代が切り替わる瞬間が、近づいてるように感じるのは、錯覚だろうか。