初硯




新たな年のはじまり。
なにを望んでいるのか、ぼんやりとわかりはじめました。
言葉にするにはまだ早いけど、
あたしのなかで、とてもちっちゃな炎が燃えはじめた気分。


人里離れた山間や渓谷を訪れると、そこには、その大地と一緒に暮らす人々が居ます。
大地と一緒に、確かに暮らしてる、そういう人々が。


人は、もっと、大地や、恵みをもたらす天に、
今様な言葉で言えば、自然や地球環境、になるのだけれど、
感謝と敬意をもって接しなければならないと思う。


コンクリートだと歩くのはあまり好きではないのだけれど、
山道や、野辺の道は、あたしは、いくらでもずんずん歩けてしまう。
土の、底知れぬ包容力に、包まれてる気さえしてくる。


ゴテゴテと作り重ねる厚化粧のような街作りなど、もう意味など、なんもない。
もちろん、みなが力を合わせて街を復興させようと、創意工夫に満ちた街づくりは、
その限りでなく。


なにを競ってるのか。
なにを求めてるのか。
厚化粧の奥には、なにかあるのだろうか?
あたしは、意味を捜せない。


 なんもないところだかんね。


そういう人の暮らす大地には、すべてがある。
大地と、芽吹く緑と、季節を伝えてくれる花々と、山、水、風、
そして、季節が息づいてる。
そのなかで、抱かれるように、人々が素晴らしい暮らしをされてる。


具体的に、すぐに、そんな素晴らしい暮らしができる、とは思えない。
だけど、今、その素晴らしさを伝えることは、あたしにできるのではないか、と思う。
自由な仕事ばかりではないけれど、人の暮らしのあり方なんて大げさすぎるけど、
少なくとも、あたしが素晴らしいと思う暮らしについて、
ほんのちょっとでも、ちっちゃな隙間でも、伝えられたら、と思う。


舗装され、用意された道でなく、
草を分けて進む道なき道を、大地の匂いを嗅ぎながら、歩き進んだことがある人ならば、
なんで土の道に包容力があるか、わかってもらえる気がする。


街の暮らしだって、もちろん素晴らしい。
否定してるわけじゃないんだ、もちろん、あたしも街に暮らしてるし。
けど、忘れちゃいけない大切なこと、
きちんと体と心に刻み付けなきゃいけない気がしてね。


変わらずに、模索しっぱなしの文章ばかりかもしれませんが、
気が向いた時に、ぼちぼちお付き合いくださいませ。
今年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。