餅花




昨日、仕事に出るまえに、年の瀬で賑わう新宿に寄った。
ヨドバシカメラ世界堂で、仕事関連のモノを買うため。


帰郷するために高速バスを待ってる人達、
時間を持て余して、大きなカートを引き摺りながらヨドバシのなかを練り歩く人達、
途中寄った郵便局では、なぜかわからないけど、ものすごく必死に、
郵便局の備え付けの机で、これまた物凄い量の賀状を書いてる人も数人いらした。


新宿で唯一知ってる蕎麦屋で、軽くひとつめの年越し蕎麦を、と思い、店に向かったら、
あり得ないほど並んでて、驚いた。
用事を済ましても一度向かったら、四五人に減ってて、
お一人様ならどうぞ、と、するりと入れてもらえた。


蕎麦屋のなかでは、まだ昼前だというのに、もうあちらこちらで宴会が始まってた。
ひとり客が座る大きないろりスタイルの席では、
あたしを含めみな、賑やかな客に、
くすっと笑みをこぼしながら、微笑ましく背中でそれを感じてた。
年末の、それもまた、一興、だから。


東口側に行って、もうちょっと賑やかな中、散歩したいと思ったけど、
事務所では、仕事が待ってる。
30日にはあげなければいけないのが残ってるのだ。
しかも、大晦日に、呑み会などではないマジな打合せも待ち構えてる。
3日にも提出が待ってる。。。


しかし、もちょっと歩きたい衝動に負けて、せめて、とデパ地下に行った。
仕事場で食する夕飯&夜食購入、という言い訳を、心に言い聞かせつつ。
デパ地下は、もっとすごいことになってた。


帰郷される人達がお土産を買いに、大きな荷物とともにグルグル練り歩き、
お母さんたちは正月の料理を買い求め、その数が、いつもの何倍だろうか。
人が出歩く日や時間帯に、人の大勢いそうな場所には近寄らないので、
ひさしぶりに、なんというか、バイタリティ、という言葉を思い出せた。
パワフルだった、みんな。


なんだかんだで、よくわからないけど元気をもらい、仕事場に行った。





消耗、という言葉が、仕事をしてると、最近浮かぶ。
好きでやってる仕事だし、
自分でやってる会社だから儲けはあっても給料ゼロの月もある。
それでも、よっしゃ、と踏ん張ってきたし、
これからも、その気力は継続しようと思えばできる。
けれど、どうだろうか、と思うのだ。


仕事をやめるとか続けるとか、そういう次元のことでなく、
もっと根源的なモチベーションを、あたしは最近持ち合わせてるだろうか、
と疑問に思うのだ。


動いてゆきたい。
満ちている兆しの感覚を、具体的に感じたいのだ。
ブレイクスルー。





トップの写真は、上野公園の桜。
だけど、なんか、餅花に見えて。


正月を迎える準備みたいで、かわいかったから、載っけてみた。
花の向こうにちらちら見えてる雪洞も、なんだか正月っぽくて。


…流れが小さな樹々で塞き止められても、うねる波の流れが嵐に押しつぶされても、
そん時そん時で、ナニカを決めて進んでゆけば、いつか必ず辿り着くはずだ。


自分でも意識してない、ほんとうに望む、どこかに。
そのとき、予想もしていない宝モノを、きっとあたしは手にしてるはずだ。