祈り




今年の梅雨明けあたりに行った鎌倉、朝比奈切通し
心象風景を辿ってるような想いさえした、素晴らしい場所だった。


日々、がんばって生きてて、けど、突然まわりが薄暗く思えたりすること、ありませんか?
夜半過ぎにふと目覚めてしまって、
いつもの部屋が、白々しく見えたり、異常なほど広く寒々しく思えたりすること、
あたしは、時折あったりしました。


そんな時、自分がとても間違ってる方向に歩いているような、
落胆とか、絶望とか、悲しい言葉がふわぁっと心を包んだりして。
そんな午前三時、四時、幾度も体験してました。


切通しを歩いてると、シダが這うように生える湿った道が続きます。
山を天から地へ、真っ直ぐナタで切り倒したような、こんな道が続くのです。


湿気を帯びた水滴る地には、シダから高木までびっしりと生え、
昼間でなければ、とても歩けない薄暗い道ばかり。


それでも、黙々と歩き続けてると、まるでトンネルを抜けるときみたいに、
歩く先から光が漏れてきます。


歩き続けた者にしか感じられない、恵みの光。


人生も、また然り。
どうしようもないほど辛い時間を過ごした人にしか得られない美しい光があります。
心っていうモノは、言葉でなんかとても書けぬほど、奥深く広いモノ。
あきらめずに歩き続けた人には必ず、心に沁みる素晴らしいナニカが与えられるのです。


 乗り越えられる者にしか、苦難は与えられない。
 乗り越えられる者だからこそ、苦難が与えられる。


祈ります。
がんばる人に、心を癒す素晴らしいナニカが与えられることを。