FULL MOON




一昨日の零時過ぎ、満月。
天辺近くに浮かぶ白銀の宇宙。


かなりボケボケだけど、空を仰いだ満月の写真です。


あの晩は、濃い相談をふたつも受けた。
まるで待合室があるみたいに、
ひとつの電話を切ったあと、二分も空かずに、ふたつめの電話が鳴った。


心療内科に通ってる人が、あたしの身近には数人いるのだけれど、
あの晩のふたつの電話は、新たな通い人のカミングアウトも聞いた。


 あなたは病気じゃない。
 とても疲れてるんだよ。


と、あたしは、ふたりともに、はっきりとそう言った。
あたしは心理学の専門家じゃないし、
偉そうに言えるほど強い人間じゃないし、むしろ弱い人間なんだけど、
どう聞いても、彼等ふたりの相談に対する彼ら自身の想いは、
至極もっともで、むしろ、彼等を悩ましている人やモノゴトの方がオカシイ気がした。


報道の下らないしがらみで掲載内容が決まる大手新聞や、金で情報を操作するテレビや、
保身を人生の一等に置いてる悲しい人たちが多い世の中だから、
美しい心を持ってる人ほど、壊れてしまうのかもしれない、と思った。


 空の天辺にまんまるの月が浮かんでるよ。
 窓開けて、空仰いでごらん。


そう言うと、ふたりとも、なぜか、泣いてた。


まわりになんか、合わせなくっていいんだ。
世間の評価なんか、どうだっていいんだ。
美しい心を持ってる人が、美しい人生を歩めないなんて、間違ってる。


誰がどう思おうと、自分の想いを信じてればいいんだ。
同意する人が多ければ、正しい、なんて、違う。
新聞やテレビ、雑誌に大きく採り上げられたら成功、正しい、なんて、違う。
歴史が証明してくれる。


逝って尚美しく心に輝く人が居るように、
ホンモノの美しさは、無意識に人の心に残るんだ。


最高の味方も、最高の敵も、自分なんだ、と、あたしは思うんだ。
月が頷いたような気がするのは、あたしの妄想かも、しれないけどね。