両天秤の限界

もの凄い急ぎの仕事が四つも重なって、ひさしぶりに、ちょっとだけアタフタしてる。
折しも年末年始。
それなのに、急ぎの仕事は、どれも取材込み。


しかも、担当者は一癖も二癖もありそうな人ばかり。
世間の誰もが忙しい時期。
お客様を迎える場所は、寺社を含め大忙しの時期。
そこに、無理を言わねばならない。


鳩尾がキリキリ痛む。
納品まで、無事に成し遂げられるかどうか。


いや、受けた仕事は途中で投げ出せない。
その心情で、ここまでやって来た。
だから、受けたからには、どんなことをしてでもやり遂げる。
自分の人生を懸けたとしても。


ドタキャンは、この仕事を辞める、と決意した時だけ。


その覚悟がなければ、最後までやりきらねばならない。


楽しいだけの世界、に見えてるこの業界。
それは、楽しみを与える仕事、の間違い。
与えてるあたしたちは、その裏で、人生と命をかけて創ってるのだ。


悲しいかな、そんな浪花節は表には出せない。
楽しくないから。


言葉では説明尽くせない。
辛さと充足と、苦しみと楽しみが、背中合わせだということは、
もしかしたら、業界に身を置いた者にしか、わからないかもしれない。


世間でいう幸せが、どんなモノか、あたしはよく知らない。
あたしが幸せだ、と感じる、幸せを、掴むために、
たぶん、あたしは日々、選択を繰り返して、人生を形創ってる。


明日も朝イチから連続でキツイ打合せ。
経営、クリエイティブ。
その両天秤には限界がある、なんて、絶対いわない。
その限界は、あたしが決めるのだ。