社会人

昼ご飯を食べながら、事務所で、地上波のワイドショーを見た。
ちょうどやってたのは、大学生の就職活動の現状、みたいなコーナー。


就職試験に親がついてくるとか、何十社もまわったと自慢げに話してる様子とか、
なんか、がっかりするような模様がたくさん流されてて、力が抜けた。
しかしそれよりも、大学三年にして就職することに全力を傾けてる、みたいな心意気が、
なんか悲しくなった、見てて。


学校を卒業した人間が一斉に就職するために活動するのは、日本固有のことらしい。


似てそうなアメリカの就職活動にしても異なってて、
大学を出て、進みたい分野の専門学校に行って専門知識を深めたり、
丁稚のような形で、働きながら実地経験を積みながらビジネススクールに通ったりして、
心根が固まったところで、就職するための動きをはじめるのだそう。


かくゆう、あたしも、卒業とともに、みんなと一緒に、就職活動はしなかった。


時代がよかった、のかもしれないけれど。
今の情勢に入ってゆかねばならない、学生たちの悪戦苦闘ぶりもわからなくはないけど。


そんでも、なんか、違ってる気がする。


仙人になれ、なんて言わないし、
ほんとに人生を掛けたいと思う仕事を見つけろ、なんて言えないし、
就職なんてしたくないのにするんじゃない、なんてもちろん言えないけれど。


会社の将来性とかさ、安定性とかさ、そんなの、仕事と関係ないじゃん、
と、あたしは思うのだ。
興味のむく方向に歩きはじめるスタートラインだ、と思いたい、卒業って。