吐息

絡まった糸を、長い時間かけて、ゆっくり丁寧に、時々は苛つきながら、解いてきた。
みんな、やってること。


あたしが解きほぐしてきた、がんじがらめに見えた糸の固まりは、
気の遠くなるような時間を経て、今、しゅるりと一本の糸に戻りつつある。


そんなことができたことに、あたし自身、驚いてる。
だけれど、それは、一等望んでいたことではないことにも、驚いてる。


あたしは、どこに向かってるのか。
どこへ向かいたいのか。


解きほぐした糸を前に、今あたしは、
自身の想いを確たるモノにすることが、一等の望みだったことに、気付いてる。


深い深い魂の求めるモノが、なんなのか。
それが知りたい。
面倒なことに、それを知っているのはこの世でただ一人、あたしだけ。


解かねばならない。
その謎を。
一生かけてでも。