雑記

ある、あたしの好きな作家が、こんな感じのことを書いてた。


 恐怖心があるうちは、ほんとのことが見えない。


着ていた重い鎧を脱いだときとか
完璧に張り巡らしていた透明のバリアーを解除したときとか
人が話すことをじんわり自分のなかで受け止めてきちんと自分の言葉で返したときとか


そんな時に感じる、あの気持ちよさは、
たぶん、その作家が書いたほんとのことが見える、というか、
ほんとのなにかを感じられた気持ちよさなんだろう、と思う。


あたし、昔、ある人にこう言ったことがある。


 独りで居られない人は、ほんとの二人には、なれないと思うんだ。


なにかを噛み締めることを知ってる人。
その苦みを味わい、糧にすることを知ってる人。
自然の美しさとその恵みの深さを知ってる人。
心の奥深くに、熱い魂を持ちながら、その熱さに耐えかねて手放したりしない人。


書いてはみたけど、うまくは言い表せない、
けど、そんな人が、たぶん、独りで居られる人な気がする。


翻ってみれば、そんな人に、あたしがなりたいのかもしれない。
いや、もしかしたら、そんな人を感じたいのかもしれない。