M★A★S★H in movie

M★A★S★H(in movie)は、初めて観たずうっとまえから、今もずっと好きな作品。
折りにふれて観返し、ちょっとずつ湧く想いが変化するのも、おもしろい。


痛快コメディとかコピられてるけど、そんなもんじゃない。
これはあたしの主観だから、そう思わぬ人がいたら、ごめんなさい。
ケッ、って思われるかもしれないけど。
人の暖かさと悲しみと、言葉にならぬ生き様の示唆、が、こんもり盛られてる、
ひとつの文化を確立した作品だと、思う。


テレビ版は、ダイジェストでしか観たことないのでよくわからないけど、
アフレコで、薄い観客の笑いが盛り込まれてた。
あれは、M★A★S★Hには不似合いだ、と、あたしは思う。
先に映画を観たから、かもしれないけど、テレビ版は観る気はしない。


M★A★S★H(in movie)に出演されてる俳優は、誰が欠けてもあの作品にはならぬ、
と断言できるほど、みんな素晴らしい。
配役の見事さと、その役を演じる俳優の素晴らしさが解け合って、
完璧、と言えるほどの空気を作り上げてる。


特にあたしが好きなのは、エリオット・グールドドナルド・サザーランド
ふたりは、映画のスクリーンのなかで、生きてて、
その前も、その後も、あの美しい生き様を続けてるのだろうと、自然に思えた。


ホンモノの人の切なさは、たぶん彼らに教えてもらった。


彼氏から電話がかかってこない切なさとか、
想い焦がれてなん年も経つけど一心に思い続ける片思いの切なさとか、
大切な人が突然逝ってしまった切なさとか、
どれもみな、とても切ないこと。
けど、M★A★S★H(in movie)が教えてくれた切なさは、生きていることの切なさ。
そして、生き続けることがとても素晴らしいと思うことの切なさ。


言葉では、こんなふうにしか言えない。
いいモノ、いいコト、は、出会うと、言葉を失い、言葉にできなくなる。
そんな言い訳で、逃げちゃおう。


ちょっと興味はあるけど、食わず嫌いで、もしくは、天の邪鬼で避けてる、
という方がいらしたら、ぜひ。
なんか、残ります、心の深いところに。