朝の満月




さっきようやく車で帰宅。
余裕ができたなんて鷹括ったもんだから、仕上げが遅くてこんな時間に。
疲れてるけど、反省。


実直な運転手さんの車から空を仰いだら、薄い空色に、ぽっかり満月が残ってた。


パステル調の色で刷った版画みたいで、文句なしに、かわいかった。


ほぼ毎日提出のスケジュールを組んでしまった今週。
今日、金曜で終わる。
もう一本。
きっちり出して、すっきり週末を迎える。


ここ三週間ほどものすごいスケジュールで、この先ひと月ほどそれが持続するのだけど。
なぜか、そういう時に限って、ものすごく懐かしい友達から誘いがあったりする。


一年に、二三度、殺人的なスケジュールの時に来る、懐かしいお誘いを、
あたしはもう十年近く断り続けてる。


なんだかなぁーと思うけど、
たぶん”計らい”というものがあって、あとになってなんかそれが意味を持つのだと思う。
おばあちゃんになってからわかるのかもしれないけど。
それも、いい。





オフコースの「時に愛は」。
イントロの、実にシンプルなリフを聴くたび、胸が締め付けられる。
なんの因果もなく、ふとメロが浮かんで。


想いを言葉にするのは、ムツカシイね。
文章を書いて仕事をしてるけれど。
モノやモノコトを説明するのはとてもシンプルなこと。
けど、心を言葉にするのは、まだ旨くできない。
きっと、もがいたまま、終わる気がする。
それほど、フクザツなのだと思う、人の心は。


心のカケラを言葉にして、そこから、次の色を紡ごうとして、
ようやくセーターが出来上がる時みたいに、だんだん想いの形がわかってく。
けど、わかるのは心んなかで、その、わかったことを外に出すのは、やっぱり至難の業。


だけどね、この頃思うのは、外に出してないつもりでも、滲み出てる気がする。
自分の意図しない方向や方法かもしれないけど、
たぶん、伝わるべきナニカには、伝わるべき時に、伝わってる気がする。
厄介なのは、自分がそれを意識できないこと。


けど、それも、時が巡って自分にも伝わってくるんだ。


人生に無駄なことは起こらない。
ぜんぶ栄養にしてくんだ。
涙も、悲しみも、辛さも、心細さも。
時を経て、それはきっと、優しさや、強さや、美しさに変貌するから。