朝の満月
さっきようやく車で帰宅。
余裕ができたなんて鷹括ったもんだから、仕上げが遅くてこんな時間に。
疲れてるけど、反省。
実直な運転手さんの車から空を仰いだら、薄い空色に、ぽっかり満月が残ってた。
パステル調の色で刷った版画みたいで、文句なしに、かわいかった。
ほぼ毎日提出のスケジュールを組んでしまった今週。
今日、金曜で終わる。
もう一本。
きっちり出して、すっきり週末を迎える。
ここ三週間ほどものすごいスケジュールで、この先ひと月ほどそれが持続するのだけど。
なぜか、そういう時に限って、ものすごく懐かしい友達から誘いがあったりする。
一年に、二三度、殺人的なスケジュールの時に来る、懐かしいお誘いを、
あたしはもう十年近く断り続けてる。
なんだかなぁーと思うけど、
たぶん”計らい”というものがあって、あとになってなんかそれが意味を持つのだと思う。
おばあちゃんになってからわかるのかもしれないけど。
それも、いい。
*
オフコースの「時に愛は」。
イントロの、実にシンプルなリフを聴くたび、胸が締め付けられる。
なんの因果もなく、ふとメロが浮かんで。
想いを言葉にするのは、ムツカシイね。
文章を書いて仕事をしてるけれど。
モノやモノコトを説明するのはとてもシンプルなこと。
けど、心を言葉にするのは、まだ旨くできない。
きっと、もがいたまま、終わる気がする。
それほど、フクザツなのだと思う、人の心は。
心のカケラを言葉にして、そこから、次の色を紡ごうとして、
ようやくセーターが出来上がる時みたいに、だんだん想いの形がわかってく。
けど、わかるのは心んなかで、その、わかったことを外に出すのは、やっぱり至難の業。
だけどね、この頃思うのは、外に出してないつもりでも、滲み出てる気がする。
自分の意図しない方向や方法かもしれないけど、
たぶん、伝わるべきナニカには、伝わるべき時に、伝わってる気がする。
厄介なのは、自分がそれを意識できないこと。
けど、それも、時が巡って自分にも伝わってくるんだ。
人生に無駄なことは起こらない。
ぜんぶ栄養にしてくんだ。
涙も、悲しみも、辛さも、心細さも。
時を経て、それはきっと、優しさや、強さや、美しさに変貌するから。