灯り

満月にむかって膨らんでる月を仰いだ。


六七階あたりの、低い空に、そのたまご型の月が居て、
近寄ってくれてるみたいで、妙に嬉しくなった。


ぼーっと歩いてたら月を見失って、
あ、月だ、と思ったら、マンションの七階あたりにともる灯りだった。


どんな照明器具なのか、丸い灯りが外にもれてる。
これも、月だ、と思った。


しばらく歩いて、膨らみかけてる月に、再会できた。


今、宮城のお酒を戴いてる。
大好きな「一の蔵」。
あたしの好みと応援が一体で、二重に美味しい。


東京は節電モードで、陽が暮れると、吃驚するほど真っ暗になる。
おかげで、月や、星までをもよく見える。


これで充分、というよりも、夜なんだもの、このっくらいが、いい塩梅。


電球に照らされた桜より、月灯りに揺れる桜の方が、あたしには艶っぽく見える。


東京タワーには、期間・時間限定だけれど、
4月11日から「GANBARO NIPPON」のメッセージが表示されてる。


東京には、いろんな仕事をしてる人達が大勢生きてます。
けど、一様に、あの文字を見上げるとき、みんな泣きそうな顔してた。


想いは、届く。
なにもできないときだって、想いは、かならず届いてる。