満ちる




ひとりで、しっかりと生きられてこそ、ほんとうの、ふたりになれる。
魂が求める愛に出会える。


と、あたしは想う。


経済的に貧しくても、懸命に生きる手だてはいくらでもある。
自信をなくしたら、体中、心じゅうの勇気を振り絞って、笑う度胸を持ちたい。
哀しいことがあったなら、じっと噛み締める時間を過ごせる人でありたい。


たくさんお金を稼いでるからってだけじゃ、自立してる、とは言えない。
大切なのは、生きる力、みたいなもの。


肯定力を持つ人が、いい。
生きることに対して、疑いのない肯定力を持ってる人。


なにより、自分自身を愛してる人が好きだ。
あたしもそうありたいと願うから。


支え合うこそ、人。
その、支え合う二本の棒が、すっくと背筋が伸びていなければ、互いに崩れてしまう。
どちらか一方がふにゃふにゃでも、やっぱり崩れてしまう。


凛と、強く、優しく、美しくありたいと想う。


今日の夕刻、月が満ちる。
降りはじめた雨は、きっと夕方には、あがる。
満月を仰いだ時、あたしはなにを想うだろう。