校正

本や雑誌にするまえに、校正作業というのがある。


ゼロから、なにを載せるのか決める、いわゆる企画段階。
入れるモノコトが明確になって、調べたり、取材をしつつ進めるとき。
思うように進まない取材アポや、掻き回されるスケジュール。


どの作業も大変だけれど、最後の仕上げともいうべき校正作業は、やはりとても大事。


レイアウトされている内容が、合っているかどうか。
お客様から戴いた指示がちゃんと生きているかどうか。


それを確認する作業が、校正。


一言でいってしまえば簡単だけれど、
紆余曲折して創り上げた内容の”真偽”を、客観的なフラットな目と頭ですべて見直す作業、
というのは、それはそれは面倒で、やるせない気分になるのだ。


大きな会社ならば、校正のプロフェッショナル、校正専門のチームを持っているけれど、
うちのような超弱小事務所では、それはあり得ず。
ゼロから、校正して、納品まで、ぜんぶやるのがあたりまえ。


あたしは、その、校正作業が、大の苦手だった。


もう少し、校正がどんなモノか、書いてしまうと。
たとえば、グルメ店がいっぱい載ってる雑誌。


お店の特徴を書いた記事と写真が載るページ、その各お店の場所を記した地図ページ、
これがおおよそのメインページだと思うけれど。


お店の営業時間や、メニュー内容、写真がそのお店のものであること、
一店一店のお店の所在地が正しく地図に記載されているか、
これを、すべてのお店について、確実に確認してゆく作業、というのは、
なかなか簡単ではない。


たぶん大丈夫、では、済まないのだ。
ぜったいに大丈夫、でないと、校正作業は、終わらないからだ。
なぜなら、その情報を知らぬ人が、読むモノが間違っていては、いけないから。


で、あたしはとても校正が苦手で、億劫でならなかった。


今は、それほどでもなくなってきた。
やっぱり面倒で億劫なのだけど、
やるべき大切なことに、手を抜くわけにはいかない、と無意識で思えるようになったのだ。


これは、自分で言うのもなんだけど、あたしの革新的な意識改革(笑。


超えねばならぬ峠、とでも言うのか。


”校正”という峠を、きっちり歩き超えて、初めてホンモノの達成感が生まれるのかも、
と、ようやく感じはじめてるこの頃。