薄紫




鉢植えを買って、ずっと葉っぱばっかりだったのが、
数年経った一昨年あたりから、ローズマリーが見事な薄紫の花を咲かせてくれる。


花が咲かなかった頃、肉を焼く時に、細長い小さな葉をざざっと削いで入れたりしてて。
なん年かして環境に慣れてきたら、いつか花が咲いてくれたら素敵だな、
と思いはじめた頃、ふと、かわいい花が咲いてるのを見つけた。


あたしは、小さな頃から今も、友達から秘密主義だとよく言われる。


主義だなんて言葉を使うと大げさだけど、自分のことをほとんど話さない、ということ。
友達、といっても女友達に。
それに、なんの相談もしてくれない、とも言われる。


あたしは、ほんとはとても弱くて流されやすいから、自分のことを話さないんだ。


弱過ぎが極まって、強くなれたような気もするし、
流されやすいことを自覚しているから、意思があれば流されることもまた善し、
と思えるようになったのかもしれない。


困った時は、自然と季節、それに、時間に頼る。
そうして過ごしてきて、かなり本気で思うことがある。


 期待はしない。
 けど、希望は持ち続ける。


恋愛とか、友達関係とか、仕事とか、家族関係とか諸々、関わるさまざまなことに、
ふっと手を離したからこそ見つけられる貴重な想いや発見があったりする。
天の配慮、というものがあるのなら、これは、人に課された、恵みの道、な気がする。


心のなかでの想いなので、うまく説明できないけれど、言うなれば、


 ぜんぶ自分で決めてゆく。
 その決定と選択に絶大なる信頼を寄せる。


こんな感じのこと。
人と協力も勿論するし、みんなで創り上げる過程はかけがえのない素晴らしい時間。
だけど、人には頼らない、みたいなこと。


自分の道は、自分で拓いてゆくのだ。
仲間や同士、恋人や伴侶、家族、そんな人がいても、
決めて拓くのは、自分にしかできなことなんだ。